このシリーズは
私の乳首に生えた毛がもし個々の感情と文化でもって
私の体の上で生活していたらどうだろう

というフザケた内容の妄想ストーリーです。
なんというかたけしという自分が現実社会で生活してるのか、
乳毛地区に住んでいるのか定かでない設定です(笑)。
もちろん架空の話ですが、実体験もそこはかとなく散りばめてます。
下文はシリーズ化するきっかけになった1作目です。
ここではまだ自分のことをあえて“ボク”にしてるのが、2作目からは“オレ”に変わってます。




■お毛々シスターズ♯1 できなかった三つ編み

どうしましょう。

夏が来る度、お乳から生えてくるお毛々を剃るのが習慣になり
それは日増しに濃さと本数を増し、
気が付けばまるで叩かれて強くなった悪ガキのように
ボクの大事な乳首の周りにプチ森林をこしらえてしまいました。
健気なものです。
こいつら剃られても剃られてもどんどん強くなって
そんな量では大した効果もないのに必死にボクの体を守ろうとしてくれています。
そんな彼ら彼女らをボクはうとましく思うことができません。

え? “女の子もいるのか?”って?

いますよ。
どちらかというと女の子のほうが多いみたいです。
臭いでわかるんです。
レモンみたいな石けんみたいないい臭いがするんです。
落ち込んで街をうつむきながら歩いてる時などは
よくボクの汗ばんだTシャツごしに話しかけてきます。
彼女らはボクの乳首の脇に頬づえつき、ニコリと笑うとこう言ってボクを励ましてくれます。

“でも今日は晴れてるじゃない。きっと明日も晴れるよ”

ボクは涙ぐみながら声にならないありがとうを言います。
そんな時ヤローのお毛々はだいたい麻雀してやがります。
真っ昼間だというのにビールのみながら薄暗い室内で麻雀してやがります。
主人のボクなどおかまいなしです。
だからヤローのお毛々達は嫌いです。
ニョキニョキと優雅に伸びる長いお毛々は女の子たちです。
ボクに勇気をくれるこのかわいいお毛々たちを
ボクは今日三つ編みにしてあげようと思い、
ボクの乳首の隣にある彼女らのマンションに
駅の側で買ったショートケーキを持って訪ねました。


返事がないのでそのまま部屋に入ると
女の子は一人を除いてみんな外出していました。

一人たたずむその女の子は、ボクに背中を向けてヘッドホンで音楽を聴いています。
肩を叩こうと近付くと
なんと女の子は無心に鼻をほじっていました。
小指は第二関節までめりこんでいました。
ひたすら無心に鼻の奥深くをほじっています。
ボクは見なかったことにして
自分の家に帰ると
彼女達にあげるつもりのショートケーキを全部食べました。


とても甘くて、少ししょっぱい涙の味がしました。

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