■ジェノサイド!!

金曜日の夜に、借りてたDVDを新宿に返しに行こうと思ってたら
仕事が遅くなって行けなくなった。

しょうがないから土曜日の休日に返しにいくことにしたが、
せっかくだから他の用事も済まそうと思い西新宿のほうを歩いていた。

街を歩いていると急にお腹が痛くなってきた。

ひょっとすると朝食べたハムのせいだろうか。

賞味期限を5日過ぎてたあのハムのせいだろうか。

 

いだだだだ。。。。。

 

外で大のほうをするのは嫌だが、お腹が悲鳴をあげているのでしょうがない。

その時ちょうどビッグカメラの店舗内にいたので早歩きでトイレにかけこんだ。

するとこんな時に限って大のほうが満室である。

しかも待てども待てども、中の人が出てこない。

ずっと前で待つと余計苦痛なので、近くのフロアをブラついて気を紛らわした。

島崎俊郎のアダモちゃんみたいな口になりながら、尻をつねり苦痛を紛らわした。

頃合いを見計らい戻ってくるとまだ満室だ。

 

おウンさんときたら、もう菊の門手前まで来ていて、
「まだ開けてくんないのかなぁ〜〜!?」
と、さっきから門の柵をユッサユッサと揺らしている状態である。

つまり爆発寸前だ。

 

「もう限界だぁ!!」

 

と、脂汗の滴が床に落ちるその刹那、やっと一部屋が空いた。

「待ってました」とばかりに飛び込んだ。

こんなに便座が光り輝いてみえたことはない。

前のヤツの残り香があろうがかまわない。

ホッとして便座に座る。

しかし、

 

ブゥ〜〜♪

 

出たのはただのオナラだった。
間抜けすぎる音色を奏でる、
只のガスだったのだっっ!!!

 

今までのこの苦しみは一体なんだったのか。

只のガス下郎程度と分かっていたら、

さりげなく路の端で壁に寄りかかりつつ、

通行人の靴音に合わせてぶちかまし、

“口笛ひとつ、あとは知らん顔モード”

 で良かったではないか!!

 

もう一度言う。

 

良かったではないかっっっっ!!!!

 

 

 

怒りに震えながらビッグカメラを飛び出し街に出た。

もうゆっくり買い物する気分にもならん!

肩すかしもいいところだ!

 

ただのオナラか!

 

嫌がらせはやめたまえ!!


それならそれと先に電話の1本でも入れればいいんじゃないのか!

 

 

どこにこの怒りをぶつければいいのか。
たぶん眉間にしわをよせた険しい表情だったのだろうか。
ふと見ると、前方に警官が見えた。

目があった。
何も悪いことをしてるわけじゃないが何気に目を逸らした。

そのまま通り過ぎていると・・・・

 

 

「ちょっとすいません」


その警官に呼び止められた。

「・・・・なんですか?」

「お忙しい中失礼します。
ただいま巡回パトロール中でして・・・」

言い終わるより前に用件はわかった。

持ち物検査である。

テロ対策なのか、最近こういうのが多いのだ。

 

「ああ、わかっとるよ。わかっとる。持ち物検査やろ」

「失礼ですがバッグの中を拝見できますか?」

 

前にもこの近くで止められて、同じように持ち物検査をされた。

周りはたくさんの人が往来している場所なので恥ずかしい。

それにちょうど虫のいどころが悪かったのでボクは口調も荒く毒づいた。

 

「なんでボクが止められるんかなぁ? そんな人相悪いか?」

「いや・・今、目が合ったでしょう?」

「目が合ったら止められるんか。まるでヤクザやなぁ」

「いや・・申し訳ありません。あと危険物とかお持ちになってませんよね??」

そう言いながら今度は両手でボディチェックを始めた。
犯人を捕まえた時にやるアレだ。

 

「持ってないわ!!

  それに見てみい!

 そんな危険でテロリストみたいなヤツが

 こんな格好で、こんな普通なバッグ肩から下げて、

 イヤホンで音楽聴きながら、の〜んびり歩いてるわけないやろ!!」

 

「・・・ナイフとか」

「持ってないっちゅーねん!!」

どんどん腹が立ってきたので、ボクは更に付け加えた。

 

 

「ナイフとかハジキとか持ってないけどな、

 機会があったら皆殺しにしてやろうと思とるよ!

 みんなや!  みんな!!」

警官も相手するのがアホらしくなったのだろう。
それにちょっと表情がムッとしてたしw(そらするわw)

 

警官は大変な仕事だと思うし尊重してるんです。
普段はこんなこと絶対言わんのです。

・・・いや、ホンマすんません・・・

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