■−夢の中− 無限遅刻
電気を消してふとんにくるまりどのくらい時間が経ったろうか。 明日の仕事の不安材料がものすごくて 「眠れない時は羊さんの力を借りよう」 ボクは羊さんの数を数えてみることにした。
「羊が1匹、羊が2匹・・・」
「・・・羊が368匹、羊が369匹・・・」
ボクはうつらうつらとまどろんできた。
「うぅ〜ん・・・うぅ〜〜〜ん・・」 息苦しくなって目を開ける。 「ぐほっっ! 汚なっっ!! やめんかーーーおいーーーー!!」 なんということだろう。 「覚えてろよ、キサマら! ボクの顔でお尻を拭いてスッキリしたばっかりのオッサン羊は ボクは気を失った。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ピリピリピリピリピリ!! 時計が鳴っている・・・。 あと5分だけ寝かせて・・・・。
ハッと気がついて飛び起きた。 「ここはどこですか? 出口はどこにあるんですか?」 駅員は目をパチクリさせながら答えた。 「何を言ってるんだ。ここはな・・・・・・」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ピリピリピリピリピリ!! 時計が鳴っている・・・。 あと5分だけ寝かせて・・・・。
ハッと気がついて飛び起きた。 「お母さん! なんで起こしてくれんかったん!?」 なぜかそこには遠く離れた実家にいるはずの母がいて、朝食を作っているところだった。 「なんべんも起こしたがね。もう大人なんじゃけん一人で起きないかんがね」 ボクはあわてて飛び出した。 今度は目的の駅にたどり着き地下鉄から地上に出れた。 ・・・・アレ?? そこはやっぱり知らない場所だった。 ここはどこだろう? なんでこんなところに? あたりを見渡した。 「おーーーい! 車掌さん!!」 ボクは車掌に向かって走った。 「“ここは・・・”って、どこだったのぉーーーー!?」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ピリピリピリピリピリ!! 時計が鳴っている・・・。 あと5分だけ寝かせて・・・・。
ハッと気がついて飛び起きた。 「お母さん! なんで起こしてくれんかったん!?」 「なんべんも起こしたがね。もう大人なんじゃけん一人で起きないかんがね」 「遅れそうじゃけん車で送ってくれんで?」 「なんぞね、お母さん忙しいんぞね」 「頼むけん車出してんや」 しょうがなしに母はボクを乗せて車を走らす。 ・・・・アレ? またしてもさっきと同じ場所だ。 時計を見た。 ここはどこだろう?
しばらく歩いて標識を探したがなにもなかった。 「あぁ、どうしよう!! 仕事場に電話できない!!」 今時間は何時だろう。 時計は止まっていた。 「ああ、どうしよう!! もう時間もわからない!!」
ボクは走った。 明日がなくても走っているんだとしたら、 ボクはがむしゃらに走った。 「ああ、もうボクには何もわからない!!」
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