■愛の配達人平井さん
「あ、平井さん」 「お、たけしやないか」 「平井さん、こんなとこで何してるんですか」 「いやいや、なんでもないよ。 「何やってんですか、ティッシュ配りの女の子捕まえて。 「いやいや、あったら便利やろ。 「あ、そうそう。 「なんや来てたんかいな」 「なんていうのかな、色気に磨きがかかってきた感じっていうのかな。 「そぉ〜のぉ〜てぇ〜でぇ〜ぁっっ!! 「限りなく卑猥な歌ですね」 「何を言うてんねんな、キミはホンマに夢のない。 「・・・まぁ・・否定はしませんけど。 「何がやねん」 「その歌の語尾に必ず“ぁっっ!!”って必ず入れるでしょ。アレ、なんなんですか」 「キミはホンマに人の話を聞いてないな」 「なにがですか」 「もっかい言うてやろ。それは何故かと尋ねたら、 「はぁ・・・そうですか」 「金のためとはいえ、好きでもないおばはんに腰振っとるわけやけどやな、 「そんなにですか」 「そんなにや。そりゃもう老いも若きも子宮の奥底にズンドコ来るわけやね」 「いかがわしいなぁ」 「ボクのアートに口出しすな。 「出過ぎたこと言ってすいませんでした」 「わかればええねや」 「久々に飲みにいきましょうよ。安くてうまい店見つけたんですよ」 「今日はダメよ。ボク、今日は商店会の用事あるもん」 「平井さん、そういうのマメですね」 「ふれあいを大事にする男、その名は平井、である」
「平井さん」
「なんや、結局来たんかいな」 「平井さんがちゃんと働いてるかな思いまして」 「失礼なやっちゃなぁ。ボクの仕事はね、福引き係ね」 「あ、ガラガラや。懐かしいなぁ」 「i-podが当たるでぇ」 「ほんまですか」 「平井の福引きは大きな福が来るよぅ!!」 「ボクも抽選券持ってるんですよ。やってみようかな。はい3枚」 「ガラガラ回してみ」
ガラガラガラ
「あ、ハズレか・・」 「はい残念。ティッシュ」 「もっかい」
ガラガラガラ
「あ、4等!」 「ハイおめでと! ティッシュ2個!!」 「えぇ!? 4等でもティッシュですか!」 「うん。これより上は豪華になるよ。 「よぅし。うりゃっっ!!」
ガラガラガラ
「お! 2等やないか! クジ運の強いやっちゃの〜〜!」
「にっっ、平井さん、2等ってなんですか!?」 「ハイ、こんな豪華賞品が!!」 「・・・・・またティッシュやないですか!!」 「数が違うねんで」 「しかもセロテープで5個止めとるだけやないですか!! 「最近この商店街も不景気やからの〜。予算ないねん。 「武富士の広告入ってますけど、コレってまさかさっきの・・・。 「入っとるよぉ。ウソや思うんやったら商店街で買い物してチケットもろてこい」 「ティッシュばっかいらんですよ」 「さみしい一人暮らしにゃティッシュはいくらあっても困らんやろ」 「失礼なこと言わんでください!!」
「は〜〜〜い、みなさん、まいどまいど〜〜!!
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