■北京から来たお店-2



先週に引き続き、近所の例の中華飯店に行った。



今日は月曜、でも祝日なので客でいっぱいだろうと思ったら
店内は客が一人もいない。

店内は少し薄暗いので、客がいないとなんとなく陰気な感じがする。
しかもヒマだったのか有線の音楽も切っている。



いつもはおばちゃんが出てくるが、今日は厨房のおっちゃんが出てきて



「イラシャイマテーー。オク、ドゾーーー(奥の席にどうぞ)」


と笑顔で出迎えてくれた。




席に座って希望の注文を言うと、


「カライ、カライヨ」

と言う。


辛くて食べられない人もいるから先に言っているのだろう。
辛いのは好きだからボクはコクンとうなずいた。




おっちゃんは有線のスイッチを入れ、
いつもの中華風の曲のチャンネルにすると厨房に戻り調理を始めた。


おっちゃんの中華鍋を振るう音と共に時々



「アイッ! アイッ!」


という意味不明のかけ声が聞こえてくる。



オーダーが鶏肉の中華味噌炒めだったから
ニワトリでもシメてるんだろうか・・・。








料理を待つ間に客が2人ほど入ってきた。
 どうやら今日はおばちゃんはいないらしい。



“休日だというのに客が一人もいないことと何か関係があるのだろうか?”


  謎は深まるばかりです。



“まさかこないだのマーボーの一件のせいでケンカ別れ!!?”



・・・と、バカなこと考えてニヤニヤしながら窓の外を眺めてたら、
 おばちゃんがタララ〜〜と自転車に乗って店の前にやってきた。



“なんだ、ちゃんといるじゃねえかYO”



となんとなくホッとしたら、おばちゃんが店内に入ってきて
 奥の部屋に入ろうとしてボクに気がつくと
 わざわざ戻ってきてからニッコリほほえみ、



「コニチワァ」


とあいさつしてきた。
何回か話してるし、この間のマーボーと席の件で顔覚えてくれたのだろう。


食事の最中もやってきて「ゴハンン?(おかわりどうですか?)」と聞いてくれた。





今日は注文通りの食事が出来て満足して
お勘定払おうとしたらおばちゃんがしゃべりかけてきた。





「キョハ、ヤスミカ?」


「うん、三連休」


「アァ」


「おばちゃん、そういやさっきおらんかったけど、
 どこ行っとったん?」



「アァ!?」


「さっきおらんかったやん?」


「チュゴクカエッテタヨ」


「エ??」




あいかわらず話が通じないが、
“しばらく中国に帰ってた”ということだろうから話を合わせて



「あぁ、中国に帰ってたんや? ゆっくりできたか?」

と言うとおばちゃんは答えた。



「ニシュカンカエッテタ」







・・・・先週いたじゃねぇかYO。







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